牛乳は骨を強くする?——カルシウムパラドックスの話

「給食の牛乳は苦手だけど、毎日がんばって飲んでいます」

「身長を伸ばしたくて、ヨーグルトも欠かしません」

そんなふうに、カルシウムを意識して乳製品を摂る親御さん、多いと思います。

でも実は、カルシウムって単体ではうまく働けない栄養素なんです。

「カルシウムパラドックス」という言葉、ご存知でしょうか?

カルシウムとマグネシウムは、まるでシーソーで遊ぶ仲良し友達のような関係。

2人いると遊べる(吸収○)けれど、どちらかが不足すると、もう一方もうまく働かなくなってしまうんです。

つまり、カルシウムだけを一生懸命とっても、それが体に吸収されない場合があるということ。

さらに、現代人はマグネシウム不足と言われています。

そしてもうひとつ、見落とされがちな視点があります。

牛乳やヨーグルトなどに含まれる「カゼイン(乳たんぱく)」「乳糖」が、お子さんの体に合っていない場合、腸内環境が乱れやすくなるということ。

乳製品に限りませんが、自分の身体に合わないものを継続して摂ると、

・お腹が張りやすい

・軟便や便秘を繰り返す

・鼻炎や肌荒れなど、アレルギー症状が出る

といったサインが体にあらわれることもあります。

「うちの子、カルシウムが足りていないのかな?」

そう思って乳製品を増やしたことで、実は腸に負担がかかっていた——というケースも、臨床の場では少なくありません。

「じゃあ、牛乳をたくさん飲んでる子が元気で背が高いのはなんで?」

と思われる方もいらっしゃると思います。だって周りを見てるとそうなんだもの…!

でも、牛乳をしっかり飲める子って、もともと胃腸が丈夫だったり、睡眠がしっかりとれていたり、他の食事も偏りが少なかったりするんです。

“牛乳だけ”の力ではなく、体の総合力が高いからこそ、ちゃんと吸収・活用できているのかもしれません。

さらに、乳製品については、ホルモンや抗生物質のことも考慮して選ぶことが必要だと思います。

お子さんの体は、とても繊細。

「みんながいいと言ってるもの」よりも、「我が家の子どもに合うかどうか」を大事にしていきたいですね。

当院「はりきゅう養生堂」では、

・お通じの状態

・食生活

・血液検査のデータ(大人の場合)

を元に、西洋医学と東洋医学の両面から「その子(その人)らしい健康」の取説を一緒に探していきます。

腸の調子は、体と心の土台。

子どもも大人も、「整う」ことで本来の輝きを発揮できます。

もし今気になる症状があるなら、健康リテラシーを身につけるチャンス!知恵は一生モノです。

お気軽にご相談くださいね。

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